格差社会の問題を扱った、世界的ベストセラー「21世紀の資本」。その著者である経済学者トマ・ピケティ氏が引用している「The World Top Incomes Database」では各国の所得データを一般公開しています。
ピケティ氏の主張について議論される際、参考例として多く利用されるのは所得のシェアですが、エコンテでは平均所得に着目し、The World Top Incomes Databaseのデータから世界9カ国の平均所得の格差を見やすく表現したインタラクティブ・チャートを作成しました。
日本では、2010年時点の下位90%の所得者[ ]の平均収入は約146万円です。ところが、同じく格差の大きいアメリカでは、下位90%の所得者[ ]の平均収入は約3万ドル(2015/3時点の円為替レート換算=約380万円)と、日本よりも高いことがわかります。実際に日本の格差問題は、高所得層の所得だけが増加するその他先進国の格差問題とは違い、低所得層が増加する「下方向への格差拡大」だと説く人も多く見られます。
国連が発表した「世界幸福度報告書2013」で1位を獲得したデンマークは、社会福祉制度の改革などを経て、格差と貧困が少ない国として有名です。グラフからも、格差が縮小されていることが見てとれます。
ピケティ氏の著書「21世紀の資本」を受け、世界的に格差問題がクローズアップされています。専門的で難しい情報に思えますが、今回のインタラクティブ・チャートのようにデータをビジュアル化することで、専門知識がなくてもデータの変化や傾向を直感的に把握することができます。日本はもちろん世界の格差問題について理解を深めるために、ぜひインタラクティブ・チャート「パブリックデータに見る主要9カ国の平均所得の格差」をご覧ください。